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SOA | 2006/04/20(木) 03:25
Java Press のSOA特集第1章の補足です。
記事が悪かったせいか、実はあんまり反響がないから補足もあんまりないなあ。
強いて言うならば、エンタープライズでSOAを実現したいならば、技術偏重は良くないよ、ということくらいですかね。
記事では、雑誌の特色と対象読者を考えて技術面だけにフォーカスを当てていますが、SOAをエンタープライズで実施する際に本当に重要なのは、「組織・政治」を如何にコントロールするかに尽きます。
ちょうどかなり大きなグローバル企業でSOA検討をお手伝いしていたりしますが、やはりこれを意識せずに進めることは出来ないです。大企業には長い歴史と共に、さまざまな過去の資産が残っています。それは稼動中のシステムだったり、成功体験だったり、ベンダーとの契約だったり、人間関係・利害関係の対立だったりします。それらをコントロールしつつ、全体をあるべき姿に導くのは技術だけではどうにもなりません。
導入企業において強力に推進する「人」の存在が不可欠です。様々な利害の対立を調整して、経営層によるコミットメントも取り付けなければ、反対派の人を説得できないし、強引に推進することもできません。技術も推進の下支えの一つにはなりますが、それ以外の要因の方が大きいと言わざるを得ないでしょう。


あとは技術面においても、記事では書ききれていない大きな問題がいくつかありましたね。

通信プロトコルの統一
例えばあるシステム間連携処理を、FTPによる独自プロトコル⇒Webサービスに変更するという場合を見てみましょう。
「技術は生まれた時から陳腐化が始まる」ので、当時にすれば良く出来たものでも、今では使えない・使いづらいものが多いです。ただ、それら資産を活用するためにSOAを利用するという選択肢はあります。この場合、サービスクライアントから通信プロトコルを隠蔽するためにESBを導入するというのは容易に考えつきます。通信プロトコルは統一しやすいと言えます。
ですが、このやり取りで利用するファイルサイズが数十メガ単位だった場合にどうするか?SOAP with Attachmentも仕様としては存在しますが、パフォーマンスを検証しなくては使う気にはなれません。ESBにそういう処理が集中することで、他のトラフィックに影響を与えるのは避けたいところです。ESB経由でFTPを使っても同じでしょう。
じゃあFTPで今まで通り直接やりとりすればいいじゃん!ってESB使ってないですね・・・

データ構造の変更・統一
たとえ通信方式を統一しても、データ構造の問題はもっと厄介です。
上記例では、当然電文フォーマットは固定長⇒XMLに変更が必要です。そしてフォーマットだけではなく、XML構造もより効率的でWebサービスに最適なものに変更したいと思うはずです。ですが、ここでデータ構造の問題が出てきます。データ構造は主にDBの制約を受けることになります。RDBではなくメインフレームのシーケンシャルなDBでは、データ構造がかなり冗長に設計されています。(例:住所1~住所10、1レコードのカラムが400!とか)これは当時としては、拡張性と限りある資源を考えた最良の設計だったのでしょう。でもこれをXML化してしまうと、すごく長いXMLになってしまいます。じゃあESBで変換・正規化すればいいじゃん!と思いますが、その変換サービスって誰が管理するんだっけ?

バッチ処理
上記とちょっと似ていますが、バッチ処理には大きなファイル、データをやり取りすることが多くなります。そうなると上記問題が出ます。でも既存資産を活かそうとして、例えばメインフレーム系COBOLをオープン系COBOLにするだけで使い回そうとすると、大半がバッチ処理で出来たシステムが多数存在します。これらを全てオンライン化しようと思ったら相当なコストがかかる上、既存のバッチ処理は結局捨てることになります。

責任の所在、サービス・ESBの管理者
システムA、BがあってESBを介してメッセージをやり取りします。ではA⇒ESB⇒Bの途中で障害が発生した場合、誰が最初に解析しましょうか?問題の切り分けだけでも、結構な時間と工数がかかります。
またサービス間の依存関係も放っておいたらすごく複雑になってしまいます。XサービスがYサービスに依存していて、Yが止まったらXも止まりますが、そのときの責任は誰にあるのか?またX⇒ESBで変換⇒Yの変換部分で問題があった場合の責任は誰にあるのか?
ESBに関しては、インテグレーション・デベロッパーのようなESB専門職が居ればよいですが、サービス管理者と責任の所在の明確化は、人・組織が絡むなかなか難しい問題です。



ちょっと考えただけでもこれだけ課題があります。SOAはちょっと無理なんじゃ?とか思ってしまいますが、その先にある世界が本当に良いと確信できれば、乗り越えることもできるでしょう。ただ、本当に良いかどうかは甚だ疑問である、というのが今の感想です。
でも何事も続けることが大事なので、取り組もうと思っている人は続けることを覚悟した上で開発に取り掛かってください。私もしばらくは検討を続けます。
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